| Abstract ： |
症例は55歳, 男性. 19年前にcomposite graftを用いてBentall術を受けた. 4年前から溶血性貧血があり, 使用したStarr-Edwards弁（2320）のcloth wearが疑われ再手術を施行した. 手術はcomposite graftを切開し, S-E弁のみを摘出し, Carbomedics弁で置換した. 本法はcomposite graftに用いた人工弁機能不全時の再手術術式として有用な方法と考えられた. （日本胸部外科学会雑誌1994；42：1343－1345）Bentall術後1）, 使用した人工弁の機能不全, 又は血栓弁などで再大動脈弁置換術が必要となった際, 従来composite graft全体を置換する方法が行われていたが2）3）, 最近, Britton, Panos, Koshalら4）～6）は用いた弁のみを摘出し置換する方法を報告した. われわれも最近, composite graftに用いたStarr-Edwards弁（SE弁）のcloth wearにより溶血性貧血を来した症例に対し, SE弁のみを摘出し再置換を行った症例を経験したので報告する. |
