Title : |
内胸動脈側枝によるstealが疑われた3例の冠状動脈バイパス術 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
小野稔, 斉藤寛文, 宮入剛, 大淵俊朗, 水野明 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
旭中央病院心臓外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
42 |
Number : |
9 |
Page : |
1374-1377 |
Year/Month : |
1994 / 9 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
1991年4月から1993年10月までに施行された34例の左内胸動脈(LITA)-左前下行枝(LAD)バイパスの中で, LITAに残った大きな側枝によるグラフト血流のstealのために, 周術期合併症を起こしたと考えられる症例を3例経験した. うち2例は4枝バイパスが施行され, 人工心肺離脱時あるいは閉胸前に心室細動を来しLADへ静脈グラフトの追加を要した. 術後造影では, 肺循環系へシャントを有する心膜枝が残存していた. 1例は2枝バイパスが施行され, 術直後に前壁中隔心筋梗塞を発症した. 術後造影では, 4本の肋間動脈枝を分岐している外側肋骨枝が認められた. ITAは長期開存性に優れ, 需要に応じて血流を調節できる柔軟性のあるグラフトとして広くLADに用いられているが, まれに大きな側枝が急性期や遠隔期の合併症を起こし得る. その予防のために十分に高位まで分枝を処理することが肝要であると思われた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
冠状動脈バイパス術, 内胸動脈グラフト, 開胸動脈側枝, steal |