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近年PTCAの適応拡大により, 冠状動脈疾患の外科適応症例はますます重症化, 多枝化の傾向にある. われわれは原則としてすべてのバイパスを動脈グラフトで施行する方針としており, 多枝化に対応してsequentialバイパスを行ってきたので, その成績を報告する. 1991年1月から1993年11月までに動脈グラフトのみを使用して冠状動脈バイパス術（CABG）を施行した連続120症例をsequential群20例と非sequential群100例に分けて検討した. sequential群の開存率は98％（39枝/40枝）で, 内訳はLITA sequential96％（27/28）, RGEA sequential100％（12/12）であった. 死亡例はなかった. 非sequential群の開存率は98％（248/253）で, 内訳はLITA98％（95/97）, RITA97％（60/62）, RGEA99％（93/94）であった. 病院死亡は3例3％であった. 2枝バイパス, 3枝バイパスの各々について, sequential群と非sequential群の手術時間, 体外循環時間, 大動脈クランプ時間を比較したところ, いずれもsequential群で短い傾向がみられた. sequentialバイパスの手術成績は良好で, 手術時間短縮効果もあり, 本法は動脈グラフトのみによるCABGの適応を広げる有用な方法であると考えられる. （日本胸部外科学会雑誌1994；42：1892－1896） |
