アブストラクト(42巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 緊急肺塞栓除去術における血管内視鏡の使用経験
Subtitle : 症例
Authors : 山中一朗**, 三木成仁*, 楠原健嗣*, 上田裕一*, 大北裕*, 田畑隆文*
Authors(kana) :
Organization : *天理よろづ相談所病院心臓血管外科, **兵庫県立尼崎病院心臓センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 10
Page : 1940-1943
Year/Month : 1994 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術中血管内視鏡併用下に緊急肺塞栓除去術を施行し救命したので報告する. 症例は長期臥床中の19歳, 男性. 歩行訓練開始直後に肺塞栓症を発症した. 直ちに抗凝固療法を開始したが, 急激に血行動態が悪化し緊急手術となった. 体外循環, 大動脈遮断下に肺動脈を切開し, 左肺動脈内の塞栓を除去した. 次いで, 肉眼的に血栓の存在が確認出来なかった右肺動脈内を外径4.9mmの内視鏡(胆道用)を用いて検索し, 塞栓を鉗子や吸引管を用いて除去した. 術後低酸素血症は著明に改善し軽快した. 肺塞栓除去術における術中血管内視鏡検査の併用は, 肺動脈分枝部内塞栓の検索や遺残塞栓の検出に極めて有用であった. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1940-1943)本邦では, 欧米に比べて肺塞栓症の発症が少なく, 外科治療の対象になるものは更にまれである. このため, 診断までに時間を要する上に, 急性期に肺動脈造影が施行されることは少なく, 血行動態の急激な悪化から, 不十分な検査のまま手術に踏切らざるをえないことが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性肺塞栓症, 血管内視鏡, 肺塞栓除去術
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