アブストラクト(42巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓移植後難治性拒絶反応に対してFK506が著効を示した1例
Subtitle : 症例
Authors : 八田光弘*, 前田朋大*, 星浩信*, 小柳仁*, 高橋公太**, 小山信彌***
Authors(kana) :
Organization : *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科, **東京女子医科大学腎センター外科, ***東邦大学佐倉病院循環器病センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 10
Page : 1972-1976
Year/Month : 1994 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 23歳, 男性. 拡張型心筋症にて心臓移植を施行した. 移植1ヵ月後にISHT分類3aの拒絶反応を呈し, ステロイド, Muromonab CD3(OKT3)投与にて一時緩解した. しかしながら, 移植後5ヵ月後に再燃し, ISHT分類3aの拒絶反応を認めた. このため, シクロスポリンを中止し, タクロリムス(FK506)(0.02mg/kg/日)の投与を開始し, 血中濃度を8ng/mlに維持した. FK506投与後拒絶反応は著明に改善し, 低濃度のFK506にて拒紛反応のコントロールが可能であった. 血中クレアチニン値及びCD8陽性細胞数もシクロスポリン使用時に比較して下降した. FK506の副作用としては, 一過性の徐脈発作及び手指振戦が認められた. しかし, FK506血中濃度の低下と共に改善し, 退院となった. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1972-1976)タクロリムス(FK506)は本邦において開発された新規免疫抑制剤であり, シクロスポリンの100分の1の低濃度でリンパ球混合培養反応, T細胞産生, インターロイキン2, 3, 4, 5を抑制することが報告されている1)2).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心臓移植, シクロスポリン, FK506, 拡張型心筋症, 急性拒絶反応
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