アブストラクト（42巻10号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 骨膜外air plombage法により著明な肺機能の改善を認めた慢性出血性膿胸の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 川村光夫*, 高橋保博*, 坂田勇司*, 大久保正*, 星野良平*, 郷古親夫** |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | *明和会中通総合病院呼吸器外科, **明和会中通総合病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 42 |
| Number ： | 10 |
| Page ： | 1990-1994 |
| Year/Month ： | 1994 / 10 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 慢性出血性膿胸（縦隔圧迫型, 進行性出血性膿胸）は, 通常の膿胸とは異なり易出血性で, 治療困難な膿胸であるが, 骨膜外airplombage法により良好な結果を得られた1例を経験した. 症例は, 64歳, 女性. 31歳の時に肺結核にて左肺全摘術を施行された. 18年前より労作時呼吸困難が出現, 次第に増強し来院した. 胸部X線写真では, 左胸腔の不透明化と縦隔の著明な右方偏位が認められた. 胸水の一般細菌, 結核菌培養は陰性であった. 手術時, 膿胸腔内には多量の壊死物質と血腫塊が認められ, 肺門部を除いた縦隔, 壁側の肥厚胸膜を剥離摘出し, 第2肋骨より第10肋骨までの骨膜外剥離を追加した. 術後5ヵ月後の胸部X線写真と肺機能検査では, 膿胸腔は完全に閉鎖され, 右肺の再膨張と著明な心機能の改善が認められた. 労作時呼吸困難も消失し, 日常生活動作の改善が認められた. よって, 骨外膜air-plombage法は, 慢性出血性膿胸に対して有用な術式と思われる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 慢性出血性膿胸, 骨膜外air-plombage法 |
