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運動負荷を加えた呼気ガス分析を行い, 本検査による結果と術後心肺合併症との関連性について検討するとともに, 本検査がスパイロメトリー, フローボリュウムカーブ, 拡散能力, 動脈血血液ガス分析による一般肺機能検査と比較して, より正確な評価が可能か否かについて検討した. 1991年から1993年に当科に入院した胸部食道癌症例中, 右開胸開腹による根治術が施行された52例を対象とした. 対象症例を術後の心肺合併症発生の有無によって, 合併症発生群（C群：n＝11）と良好群（NC群：n＝41）の2群に分け, 最大酸素摂取量（Vo2max）/m2, anaerobic threshold（AT）/m2, VC/m2, ％VC, FEV1.0/m2, FEV1.0％, V25/m, V50/V25, ％DLCO, PaO2の諸量について両群間で比較検討した. その結果, Vo2max/m2（p＜0.001）, AT/m2（p＜0.001）, V50/V25（p＜0.05）においてのみ両群間に有意差を認め, VC/m2, ％VC, FEV1.0/m2, FEV1.0％, V25/m, ％DLCO, PaO2では, いずれの項目においても両群間に差を認めなかった. 以上の結果より, 運動負荷を加えた呼気ガス分析は, 従来の肺機能検査では計り得ない心肺両者の予備力を簡便に測定することができ, 食道癌の手術適応や術後の心肺合併症発生の予測に有用と考える. （日本胸部外科学会雑誌1994；42：2037－2040） |
