アブストラクト(42巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 鈍的胸部外傷による胸部大動脈全周離断の2手術例
Subtitle : 症例
Authors : 田中一穂, 中村宏, 木戸正訓, 大谷肇, 福中道男, 今村洋二
Authors(kana) :
Organization : 関西医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 11
Page : 2095-2101
Year/Month : 1994 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 鈍的胸部外傷による大動脈全周離断2例を手術により救命した. 症例1:52歳, 男性. 受傷5日目にショック状態となる. 血管造影と胸部CTにて確診. 手術は受傷後13日に胸骨正中切開と左第3肋間開胸で行った. 大動脈は動脈管索部で完全断裂を来していた. 部分体外循環を用いて大動脈の人工血管置換術を行った. 症例2:28歳, 男性. 事故直後血胸となっていたが膨張不全肺として紹介されて来た. 血管造影と胸部CTにて確診. 34日目に遠心ポンプによる動脈間バイパスを用いて, 左鎖骨下動脈分岐部直下末梢8cmの下行大動脈の内, 中膜の全周性断裂に対し人工血管置換術を行った. いずれも現在社会復帰している. 鈍的胸部外傷による大動脈全周離断の救命例は本邦文献上7例とまれである. 本症では仮性大動脈瘤を形成し, 一旦止血された例は救命の可能性があり, 中でも血行動態が安定している例では徹底した血圧コントロールのもとに待期手術が可能である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鈍的胸部外傷, 仮性大動脈瘤破裂, 大動脈離断, 血胸, 膨脹不全肺
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