アブストラクト(42巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 受傷後18年を経過した慢性期外傷性胸部大動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 櫻木徹, 乗田浩明, 吉戒勝, 須田久雄, 夏秋正文, 伊藤翼
Authors(kana) :
Organization : 佐賀医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 11
Page : 2102-2105
Year/Month : 1994 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 外傷性胸部大動脈瘤は多くの場合受傷直後に破裂し出血死にいたる. まれに破裂を免れ慢性の経過をたどる場合があり全外傷性胸部大動脈瘤の5%以下とされる. 今回われわれは交通外傷後18年を経過した慢性期外傷性胸部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行し良好な結果を得た1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例は41歳, 男性. 胸部X線写真にて左肺門部に腫瘤様陰影を認め胸部CT, 胸部MRI, 血管造影にて大動脈峡部に動脈瘤を認めた. 背部痛の自覚と約18年前の重症交通外傷の既往, 画像上粥状硬化の所見が認められないことより慢性期外傷性胸部大動脈瘤の診断にて左心バイパス使用下に人工血管置換術を施行した. 術後約1ヵ月目に退院し現在社会復帰している. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:2102-2105)外傷性胸部大動脈瘤の約82%は交通外傷によるものであり, うち約85%は受傷後1時間以内に死亡するとされ救命例の報告は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性胸部大動脈瘤, 人工血管置換術
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