アブストラクト(42巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 血中CA19-9が高値を示した縦隔成熟型奇形腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 南寛行, 糸柳則昭, 窪田芙佐雄, 中村譲
Authors(kana) :
Organization : 佐世保市立総合病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 11
Page : 2139-2143
Year/Month : 1994 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血中CA19-9の上昇を伴う縦隔成熟型奇形腫の1例を経験した. 症例は咳嗽と胸痛を主訴とした50歳女性. 胸部X線写真では右胸水貯留を伴う縦隔の異常影を認めた. AFP, CEA, HCGは正常範囲であったが, CA19-9が204.4U/mlと高値を示した. 開胸所見では, 前縦隔腫瘍の肺穿破例で, 腫瘍を含む右肺上葉切除を行った. 摘出標本の病理診断は縦隔成熟型奇形腫であった. 術後, 血中CA19-9は正常値に復した. 腫瘍内には膵組織を認めたが, 免疫染色では膵組織にCA19-9の局在は陰性で, 腫瘍内の気管支上皮と気管支腺に陽性所見を認めた. 従来の血中CA19-9高値, 縦隔奇形腫報告例のほとんどが, 免疫染色において膵組織にCA19-9陽性所見を示しており, 本症例はこの点で従来の報告と異なり, 興味深い症例と思われた. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:2139-2143)CA19-9は消化器癌の中でも, 特に膵臓癌や胆嚢, 胆管癌の腫瘍マーカーとして知られている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : CA19-9, 縦隔腫瘍, 成熟型奇形腫
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