アブストラクト(42巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Krebs-Henseleit液持続灌流心保存法における灌流温と灌流圧に関する実験的検討
Subtitle :
Authors : 嶌田泰之**, 山本文雄*, 山本浩史***, 熊田佳孝*, 鍵崎康治*, 石川巧*, 岡隆宏**, 鬼頭義次*, 川島康生*
Authors(kana) :
Organization : *国立循環器病センター心臓血管外科, **京都府立医科大学第2外科, ***旭川医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 12
Page : 2178-2184
Year/Month : 1994 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Krebs-Henseleit(KHBB)液の持続灌流心保存における灌流温, 灌流圧に関する検討を雄性Wistar ratの摘出灌流心を用いて行った. <方法>Langendorff灌流による持続灌流心保存の前後でworking灌流(20分間)し, 心機能(大動脈流量)を測定した. プロトコールは実験1:37℃で, 100, 60, 20, 15, 10cmH2Oにおける4時間保存, 実験2:20℃で, 60, 30, 20, 15cmH2Oにおける8時間保存, 実験3:実験1の至適灌流圧で37℃, 8時間保存とした. <結果>実験1:灌流圧が100, 60, 20, 15, 10cmH2Oのとき, 大動脈流量回復率(%AF)はそれぞれ64.7±2.6, 69.0±3.2, 81.9±3.1*, 94.7±3.3*, 63.5±4.0%(*p<0.05 vs 100cmH2O)であった. 実験2:灌流圧が60, 30, 20, 15cmH2Oのとき, %AFはそれぞれ78.9±3.3, 81.9±2.3, 64.7±1.9*, 65.9±2.2*%(*p<0.05 vs 60cmH2O)であった. 実験3:実験1での至適灌流圧(15cmH2O)で%AFは56.3±2.5%であった. <結論>(1)37℃4時間保存では15cmH2O, 20℃8時間保存では30cmH2Oが至適灌流圧であった. (2)8時間保存では37℃, 15cmH2Oよりも20℃, 30cmH2Oのほうが良好な保存効果が得られた. 従ってKHBB液持続灌流法では灌流温により至適灌流圧が異なることが示唆され, 20℃, 30cmH2O, 8時間心保存では80%の心機能回復率が得られた. (日本胸部外科学会雑誌1994;42;2178-2184)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Krebs-Henseleit液, 至適灌流圧, 至適灌流温, 持続灌流心保存法, 摘出ラット灌流心モデル
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