Abstract : |
Right aortic archによる気道の圧迫は新生児ではみられるが, 成人においての報告はない. 今回われわれは, 高齢者において, Right aortic archのよる右主気管支の圧迫に対して, ステントを用いた気管支拡張術を施行したので報告する. 症例は92歳, 男性. 発熱及び咳・痰が生じ, 肺炎の診断にて当院に入院した. 精査の結果, Right aortic archの圧迫による右主気管支の狭窄を認めたため, Gianturco型expandable metallic stentによる気管支ステント留置術を施行した. 留置後12ヵ月の現在, 合併症はなく, 内腔の再狭窄の兆候なく経過しいる. 本例のような他臓器の圧迫による気管支の変形に対し気管支を拡張させるGianturco型expandable metallic stentの内腔留置は極めて有効である. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:2292-2296)1985年にWrightら1)により報告されたexpandable metallic stent(以下EMSと略す)は当初血管の拡張用に開発されたが, 他の管腔臓器にも応用されるようになってきた. |