アブストラクト(42巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 中年女性の左冠状動脈入口部単独狭窄に対する経大動脈的入口部パッチ形成術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 九鬼覚, 吉田靖, 竹谷哲, 松村龍一, 奥田彰洋
Authors(kana) :
Organization : 大阪労災病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 12
Page : 2297-2300
Year/Month : 1994 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 46歳, 女性. 左冠状動脈入口部単独狭窄による労作性狭心症に対して経大動脈的冠動脈パッチ形成術を行い良好な結果を得た. 患者は労作時胸痛のため来院, 運動負荷心電図でI, II, III, aVF及びV3~V6で有意なSTの低下を認めた. 運動負荷201Thallium(T1)心筋シンチグラムでは前壁にT1の集積の低下と再分布を認めた. 冠状動脈造影検査では左冠状動脈入口部に50%の狭窄を認めた. 自己心膜を用いた経大動脈的冠状動脈パッチ形成術を施行し, 狭心症状は消失した. 近年, 左冠状動脈入口部単独狭窄はその特異な臨床像より通常の動脈硬化性の虚血性心疾患とは独立した概念で捕らえられており, 本症に対する経大動脈的冠状動脈パッチ形成術は有効な手術法と考えられる. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:2297-2300)大動脈炎, 梅毒性大動脈炎, 先天奇形, 冠状動脈造影検査あるいは開心術における冠状動脈口操作等を原因としない冠状動脈入口部単独狭窄は比較的若年あるいは中年の女性に多くみられ, その特異な臨床像より独立した疾患単位として考えられている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈入口部単独狭窄, 狭心症, 経大動脈的冠状動脈形成術
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