Authors : |
稲垣雅春*,***, 赤荻栄一**, 三井清文**, 石川成美**, 鬼塚正孝**, 間瀬憲多朗*, 吉田進*, 山本達生*, 三井利夫** |
Abstract : |
気管支カルチノイドに対する縮小手術の可能性を検討した. 当科で切除した10例と文献上詳細に検討し得た47例の計57例を対象とした. 57例の組織亜型別内訳はtypical39例, atypical18例. 治療法別には, 区域切除, 肺楔状切除・部分切除, 気管支切除等の縮小手術が11例(typical9例, atypical2例)に施行された. また, 内視鏡下レーザー治療がtypicalの1例に行われた. このうち, typicalの39例にはリンパ節転移陽性例は皆無であったのに対し, atypicalの18例ではn1 6例, n2 2例であった. またn1のうち2例がpm1であった. 内視鏡治療例を含む縮小手術12例のうちtypicalの10例は1例の他疾患死以外全例生存しているが, atypicalの2例はいずれも転移によって死亡している. 今後, 更に症例の蓄積及び長期の経過観察が必要であるが, 現時点では, atypicalカルチノイドに対しては肺癌に準じた手術が必要であるが, typicalカルチノイドに対しては縮小手術の適応があると考えられる. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:37-42) |