アブストラクト(43巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 好中球エラスターゼ活性を指標としたヒト肺切除術後の胸腔内炎症の評価
Subtitle :
Authors : 佐久間勉*, 西村俊彦**, 薄田勝男*, 半田政志*, 岡庭群二*, 仲田祐*, 田畑俊治**, 星川康**, 藤村重文**
Authors(kana) :
Organization : *仙台厚生病院外科, **東北大学加齢医学研究所呼吸器再建分野
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 2
Page : 153-158
Year/Month : 1995 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺葉切除術後における胸水中の炎症パラメーターを測定し, 胸腔内炎症を検討した. 肺癌のため肺葉切除術を施行した10症例で, 術後3, 24時間に胸水を, 術前, 術後3, 24時間, 1週間に血液を採取し好中球数, 好中球エラスターゼ活性, 好中球エラスターゼ量, α1-アンチトリプシン量を測定した. その結果, 好中球エラスターゼ活性は血中では術前術後とも測定限界値以下であったが, 胸水では術後3時間で0.54±0.1μmol/min/lに上昇した. 術後3時間の好中球エラスターゼ量は胸水中で44,256±14,214μg/lと血中量の170倍に上昇した. α1-アンチトリプシン量は血中では術後3時間には上昇せず, 24時間で術前値の1.4倍に上昇したが, 胸水中では上昇しなかった. 以上の結果より肺切除術後の胸腔内では好中球エラスターゼ活性は上昇するが, それを不活化する量のα1-アンチトリプシン量は上昇しないため炎症が進行すると考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:153-158)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 好中球, エラスターゼ, α1-アンチトリプシン, 胸水, 肺切除
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