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僧帽弁のstraddling及び裂隙を伴うd-TGA型の両大血管右室起始点に対して, 自己弁を形成し人工弁置換術を行うことなく解剖学的修復術が可能であった3歳の男児と女児2症例を経験した. 両症例とも乳児期に肺動脈絞扼術, Blalock-Hanlon手術を施行され, 根治手術を目的に入院した. 術中, 僧帽弁を観察すると僧帽弁の前及び後乳頭筋は正常に分布し後尖の形態は保たれていたため, 裂隙に付着しているstraddlingした腱索をすべて切離したのち僧帽弁形成術を施行した. 次に心室中隔欠損孔より左室-新大動脈への心室内re-routingを行い, Lecompte変法によるarterial switch operationを行った. 術後経過は順調で, 術後カテーテル検査にて有意な僧帽弁逆流も認めず, 現在元気に日常生活を送っている. 本症例のごとく前及び後乳頭筋が正常に分布した症例では, straddlingした腱索を切離し適切な弁形成を加える本術式は, straddling valveを合併した両大血管右室起始症に対し, 心室容量を減少することなく, 左室流出路狭窄をも解除できる有用な術式であった. |
