アブストラクト(43巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈拡張後バルーンカテーテルの抜去に難渋した1例
Subtitle : 症例
Authors : 伊藤健造*, 松村長生*, 江川善康*, 堀家一哉*, 秋田裕司**
Authors(kana) :
Organization : *国立療養所香川小児病院心臓血管外科, **高松赤十字病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 2
Page : 241-244
Year/Month : 1995 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは肺動脈狭窄のバルーン拡張術中に, まれな合併症を経験したので報告する. 症例は4歳の女児. 病名はFallot四徴症, 卵円孔開存, ダウン症候群. 超音波検査にて右室流出路から肺動脈弁輪, 肺動脈幹にかけて狭窄を認めた. 7Fr10mmバルーンカテーテルにて拡張術を施行した. 6気圧5秒, 8気圧7秒で2回施行し, 同様に8気圧にて3回目施行中, 圧が上昇せず, 血液の逆流を認めdeflate不能となった. 左大腿静脈よりバルーンカテーテルの抜去を試みたが不可能なため, バルーンカテーテルを右内頸静脈に誘導し, 切開して摘出した. 摘出したバルーンカテーテルは, 外筒とバルーン近位部との接続部分が外れ, 折り畳んだようになっていた. なお, われわれが調べた範囲では同様の報告はなかった. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:241-244)近年, 肺動脈狭窄症に対してBalloon valvuloplastyの適応が増加し, 術中のバルーンの破損とそれに伴う事故の危険性も増大している.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : バルーン拡張術, 肺動脈狭窄, バルーンカテーテル, 合併症
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