アブストラクト(43巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 上行大動脈壁内血腫・心タンポナーデで発症し, 3週後に解離に進展した1例
Subtitle : 症例
Authors : 渡橋和政*, 松浦雄一郎*, 浜中喜晴**, 末田泰二郎*, 香河哲也*, 布袋裕士*
Authors(kana) :
Organization : *広島大学医学部第1外科, **県立広島病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 2
Page : 276-280
Year/Month : 1995 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 57歳, 女性. 心タンポナーデで発症した上行大動脈の壁内血腫に対し大動脈置換を行わなかったところ3週後にDeBakey II型解離に進展した1症例を経験した. 一過性意識障害にて発症し, 心タンポナーデ, 突然の血圧低下を認めたため緊急手術となり, 心嚢内に凝血塊約200gを認めたが, 上行大動脈近位部の軽度外膜下出血を認めるのみで, 心表面エコーで上行大動脈に限局性の壁内血腫(最大幅5mm)を認めた. 血流を伴う偽腔もintimal flapも認めないため, 心嚢ドレナージのみ行って手術を終了した. しかし3週後にCT, MRIで広い偽腔を伴う上行大動脈解離に進展したため再手術を行った. 解離は右冠状動脈起始部から無名動脈起始部に及び, 偽腔内はほとんど血栓化していたが一部で血流を認め, 上行大動脈置換術を行った. ごく限局した壁内血腫であっても, 比較的早期に大動脈解離に進展することがあるため, 注意が必要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 経食道心エコー法, 大動脈解離, 画像診断
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