アブストラクト(43巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈肺動脈窓(A-Pwindow)を合併した大動脈弓離断症に対する外科治療
Subtitle :
Authors : 佐野哲朗, 瀬瀬顯, 上野安孝, 轟木元友, 富田幸裕, 西村陽介
Authors(kana) :
Organization : 九州厚生年金病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 3
Page : 300-305
Year/Month : 1995 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1988年1月~1993年9月の約5年間に大動脈肺動脈窓(APW)を合併した大動脈弓離断症(IAA)の3例に対し, 一期的根治手術を行った. 全例新生児で, 平均体重は3.0kgであった. IAAのタイプは, Celloria-Patton分類Type Bが2例で, Type Aが1例であった. APWのタイプは全例でMori分類II型であった. 3例中2例は, 突然状態が悪化し, 準緊急で手術を行った. 最初の1例は, 中等度低体温下に上半身のみの体外循環を行いながら側枝付きの径8mmのゴラスキーグラフトを使い, 弓部再建を行った. 遠位側の吻合終了後, グラフト側枝より下半身への送血を行いつつ, 近位側の吻合を行った. 残り2例は超低体温循環停止下に直接吻合にて弓部の再建を行い, 再循環復温時にAPWを切離した. 大動脈欠損部は, 弓部をグラフトで再建した症例では, グラフト吻合口とした. 残り2例では直接縫合閉鎖した. 肺動脈欠損部は3例中2例では直接縫合閉鎖し, 残り1例は自己心膜を用いてパッチ閉鎖を行った. 手術死亡はなかった. 準緊急で手術を行った2例は術後管理に難渋した. この疾患では, 肺動脈絞扼術のような姑息手術が行いにくいため, 患児の状態の良いうちに可及的早期に一期的根治術を行う必要があると思われた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:300-305)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈肺動脈窓, 大動脈弓離断症, 一期的根治術
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