アブストラクト(43巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性大動脈二尖弁に合併した急性Stanford A型大動脈解離の1例
Subtitle : 症例
Authors : 平井雅也, 竹村隆広, 大野英明, 古川博史
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所東長野病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 3
Page : 335-339
Year/Month : 1995 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は66歳, 男性. 主訴は胸痛. 胸部CT, 心臓超音波検査で大動脈二半弁に伴う大動脈弁狭窄症に急性A型大動脈解離を発症したものと診断した. 解離腔は血栓閉塞していると思われたが, 上行大動脈の径が7cmに拡大していたため切迫破裂と判断し, 緊急に大動脈弁置換術及び上行弓部大動脈置換術を行った. 手術所見では, 解離腔は血栓で充満しており, 上行大動脈に内膜亀裂を認めた. 大動脈壁の病理組織検査では, 外膜側3分の1の層に嚢状中膜壊死を散在性に認め, 弾性線維の欠落も認めた. 術後は順調に経過し, 血管造影では残存したValsalva洞の拡大を認めず, 末梢側解離腔は造影されなかった. 今後, 組織の脆弱性に起因するValsalva洞の拡大に注意して経過を見ることが重要と思われた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:335-339)大動脈二尖弁は, 以前から, 大動脈解離の危険因子と考えられている1)が, 本邦での合併例の報告は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈解離, 大動脈二尖弁, 血栓閉塞型解離, 大動脈弁狭窄症, 嚢状中膜壊死
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