Title : |
鈍的外傷による急性右心房・左心室破裂の1手術救命例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
中村達也*, 小延俊文*, 村尾佳則*, 田伏久之*, 宮本誠司*, 北村惣一郎** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*奈良県立医科大学救急医学, **奈良県立医科大学第3外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
43 |
Number : |
3 |
Page : |
407-412 |
Year/Month : |
1995 / 3 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
鈍的外傷による急性心臓自由壁破裂(以下心破裂)の救命は難しく, 特に左心室破裂救命例は海外9例, 本邦2例が報告されているにすぎない. 症例は30歳, 女性. 交通事故により受傷し心タンポナーデを呈し, 頸静脈の怒張, 胸部X-P, 心エコーなどにて心破裂と診断した. 左開胸にて心タンポナーデを解除後, 胸骨正中切開にて人工心肺を用い左心室心尖部, 2箇所の右心房破裂部を修復し救命しえた. 鈍的外傷時には常に心破裂の存在を想定することが重要で, 心タンポナーデをできる限り早期に診断することが救命への糸口となる. 診断には特に心エコー検査が手軽で有用である. 修復は複数箇所の破裂の可能性及び心臓脱転の必要性などを考慮し, 胸骨正中切開による人工心肺の準備下が望ましいと考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:407-412)鈍的外傷による急性心臓自由壁破裂, いわゆる心破裂における救命例の報告は近年増加の傾向にある. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
外傷性心損傷, 左心室破裂, 鈍的外傷, 心タンポナーデ |