アブストラクト（43巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 食道癌の転移リンパ節再発による気管狭窄の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 深井一郎, 丹羽傳, 高木格, 横地隆, 岩田広治, 森山悟 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 志摩町国民健康保険前島病院外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 43 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 413-416 |
| Year/Month ： | 1995 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 下部食道癌の手術既往を持つ58歳男性が術後2年5ヵ月に重篤な呼吸困難を訴えた. 気管支鏡で気管下部内腔に突出し内腔をほぼ完全に閉塞する易出血性の腫瘍が確認され, 緊急に気管の開大を必要とした. 部分体外循環下のレーザー照射が最も安全と思われたが, われわれの施設にはないため, 緊急退避的方法としてエタノールを腫瘍に注入し組織を凝固させてから鉗子により腫瘍を削除した. エタノールによる組織凝固は迅速かつ強固で, ほとんど出血はなく救命に成功した. 切除組織は食道癌と同一で気管後リンパ節における再発であった. 後日, Nd：YAGレーザー照射+ステント留置を追加し退院となったが, 術後113日目に大喀血で死亡した. 腫瘍へ分枝する血管の破綻か, 気管内に浸潤する腫瘍が大動脈にも浸潤し, 腫瘍を介して気管と大動脈の交通が成立した可能性が考えられた. （日本胸部外科学会雑誌1995；43：413－416）気管狭窄は直接生命にかかわるため早急な治療が必要で, できれば緊急事態に至る以前に適切な処置を施すことが望ましい. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 食道癌術後再発, 気管狭窄, エタノール注入, 大喀血 |
