アブストラクト(43巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 縦隔嚢胞性病変の検討-MRIの診断的有用性について-
Subtitle :
Authors : 片岡和彦, 松浦求樹, 妹尾紀具
Authors(kana) :
Organization : 社会保険広島市民病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 4
Page : 438-445
Year/Month : 1995 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔の嚢胞性病変を17例経験し, そのMRIの所見に検討を加えた. MRI所見は全例で, 基本的にはT2強調像で極めて高信号を呈し, 卵円形をした縦隔病変として描出されたが, それぞれの疾患に特徴的な所見も認められた. (1)心膜嚢胞. 6例中5例がCephalad recess of azygos vein(CRAzV)に位置する心膜憩室であった. T1強調像では低信号で, 壁は薄く, Gadolinium(Gd)による造影効果は認めなかった. (2)気管支性嚢胞. 4例中2例がCRAzV, 2例が後縦隔に存在した. T1強調像では高信号を呈することが特徴で, Gdによる造影効果は認めなかった. (3)胸腺嚢胞. 3例とも前縦隔に存在し, 大きい場合も前縦隔の脂肪織との連続性が認められた. T1強調像では低~等信号で, Gdにより壁が一部造影された. (4)奇形腫. 3例とも前縦隔に存在し, 大部分が嚢胞パターンを呈する場合でも, 壁には隆起性に充実性の部分があり, この部がT1で高信号を呈し, Gdにより造影された. (5)嚢胞性胸腺腫. 大部分が嚢胞化した胸腺腫の1例を経験した. T1で高信号を呈し, 壁の厚い部分が存在し, この部がGdにより造影された. 以上より, 縦隔嚢胞性病変の鑑別診断には, その存在部位と, MRIの所見が有用であると考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:438-445)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔嚢胞性病変, MRI, 縦隔腫瘍
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