アブストラクト(43巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌術後胸椎転移症例に対する外科治療
Subtitle : 症例
Authors : 羽生田正行, 矢満田健, 青木孝學, 金子和彦, 宮澤正久
Authors(kana) :
Organization : 信州大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 4
Page : 506-510
Year/Month : 1995 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌術後に胸椎転移を来した2症例に対し脊髄除圧術, 椎体固定術を施行し, 満足すべき結果を得たので報告する. 症例1は65歳, 女性. 腺癌の診断にて3年前に右上葉切除術を施行された. 経過観察中に激しい背部痛が出現したため, 精査を行ったところ第6, 7胸椎に転移巣が発見された. 症例2は59歳, 女性. 腺癌の診断にて2年前に左上葉切除を施行された. 術後背部痛を自覚していたが放置していたところ, 脊髄症状が出現, 急激に進行した. 精査の結果第4, 5胸椎への癌転移が認められたため緊急入院となった. これら2症例に対し, 転移胸椎の可及的な切除, 脊髄除圧術, 自家腓骨移植及びルーキーロッドを用いた椎体固定術を施行した. 術後10ヵ月を経過した現在, 2症例とも疼痛がほぼ消失し, 自立歩行下に日常生活が可能である. 肺癌の胸椎転移症例に対する脊髄除圧術, 椎体固定術は疼痛の緩和, 椎体破壊による脊柱の変形及び脊髄麻痺を予防し, 患者のquality of lifeを向上させ得るもので, 適応症例に対しては可能な限り積極的に施行するべきであると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 胸椎転移, 脊髄除圧術, 椎体固定術
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