アブストラクト(43巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右胃大網動脈グラフトの問題点-CABG術後の上腹部合併症の検討-
Subtitle :
Authors : 内田直里, 川上恭司
Authors(kana) :
Organization : 厚生連広島総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 6
Page : 841-846
Year/Month : 1995 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当院で施行されたCABG194例のうち右胃大網動脈(RGEA)グラフトを使用した161例を対象にCABG術後の上腹部合併症に関して検討した. 術後早期の合併症として, (1)RGEA遊離面からの出血1例, (2)RGEAグラフトによる圧迫のための幽門狭窄1例, (3)胃潰瘍3例(胃潰瘍の既往;3例, IABP挿入;2例), (4)胃穿孔1例を認めた. 術後遠隔期には, (5)腹壁ヘルニア2例, (6)胃癌2例を認めた. (1), (2), (5)は技術的な問題であり解決可能であった. (3), (4)の胃粘膜の虚血病変に関しては胃潰瘍の既往のある症例やIABP挿入例では特に注意して術後の抗潰瘍剤を長期投与し, また全身状態の低下した症例にはRGEAの使用は控えるべきであった. (6)RGEA使用例の胃癌に関しては, RGEAを温存した胃癌根治術が可能なように早期胃癌で発見すべく, CABG術後定期的な胃癌検診が必要である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:841-846)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈バイパス術, 右胃大網動脈グラフト, 術後合併症, 胃癌
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