アブストラクト(43巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 内膜非破綻性急性大動脈解離の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 大毛宏喜**, 今井克彦*, 白神幸太郎*, 河野智*, 小宮達彦*, 神崎義雄*
Authors(kana) :
Organization : *倉敷中央病院心臓病センター心臓血管外科, **国立療養所畑賀病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 6
Page : 866-869
Year/Month : 1995 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 内膜に亀裂を認めないStanford A型の急性大動脈解離の症例を経験した. 症例は55歳, 女性. 11年前よりSLEの診断の下, ステロイド剤の長期投与を受けていた. 急激な胸部痛で発症し, 経食道エコー上, 上行大動脈解離, 心嚢水貯留を診断され, 発症から4時間で緊急手術を施行した. 術中所見では, 上行~弓部大動脈に解離を認め, 偽腔は血栓で満たされており, 大動脈内膜には亀裂を認めなかった. 解離の及んでいる上行大動脈及び, 弓部大動脈を全置換した. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:866-869)急性大動脈解離において, CT, DSA上, 解離腔が造影されないものは「早期血栓閉塞壁解離」と定義されてきた1). これらはentryが小さく, なお且つ早期に閉塞したために起きた現象と捉えられてきたが, 一方で内膜に亀裂を伴わずに発症したものが含まれていることも指摘されていた. このような型の解離は内膜非破綻性解離と呼ばれており2), 最近ようやくその存在が認められるに至っている3)が, 手術所見で確認し得た報告は著者らの調べた範囲ではない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 内膜非破綻性解離, 急性大動脈解離, SLE
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