アブストラクト(43巻6号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 扁桃周囲膿瘍から深頸部膿瘍, 急性前縦隔炎へと進展した1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 木村愛彦, 阿保七三郎, 北村道彦, 橋本正治, 泉啓一 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 秋田大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 43 |
Number : | 6 |
Page : | 879-883 |
Year/Month : | 1995 / 6 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は60歳, 女性. 特に基礎疾患を認めない. 発熱, 咽頭痛を主訴に近医受診, 急性扁桃腺炎の診断で抗生物質を投与されたが軽快せず, 右頸部の腫脹も出現してきた. 某病院耳鼻科で深頸部膿瘍の診断を得, 緊急頸部ドレナージが施行されたが, 膿瘍の前縦隔への広範な進展を認めたため, 当院に紹介された. 局所麻酔下に心窩部より上行性にドレーンを挿入, 持続吸引を開始したところ, 臨床症状の改善, 縦隔陰影の縮小をみ, 術後第30病日にドレーンを抜去, 第34病日に退院した. 頸部領域の重篤な感染に際しては常に縦隔への進展を念頭に置き, 検査, 治療を進めることが肝要であり, 縦隔炎の診断がつき次第, すみやかにドレナージを行うことが重要である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:879-883)抗生物質の発達した現在, 頸部領域の感染に続発する急性化膿性縦隔炎はまれであるが, 一旦発生すると診断, 治療の遅れは膿胸, 心嚢炎をも併発ししばしば致命的となる. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 急性縦隔炎, 扁桃周囲膿瘍, 深頸部膿瘍, 縦隔ドレナージ |