アブストラクト(43巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸腔鏡下生検で診断し, 拡大胸膜肺全摘除術を行ったびまん性悪性中皮腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 伊豫田明, 宮元秀昭, 坂尾幸則, 原田龍一, 浜田哲郎, 羽田圓城
Authors(kana) :
Organization : 三井記念病院呼吸器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 6
Page : 889-893
Year/Month : 1995 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : びまん性悪性中皮腫の術前診断において胸腔鏡検査が有用であった1例を経験したので報告する. 症例は61歳, 男性. 1993年1月より, 咳, 痰を自覚し, 1994年1月, 胸部異常陰影を指摘され入院. CT検査では少量の右胸水と横隔膜面に小腫瘤陰影を多数認めたが, 経皮的穿刺診断は困難であると判断したので, 胸腔鏡を施行. 胸腔内に約300ccの血性胸水を認め0.5cmから2cm大の白色結節が横隔膜を中心に壁側及び臓側胸膜に多発していた. 生検にて悪性中皮腫, epithelial typeと診断されたため, 拡大胸膜肺全摘除術を施行した. 胸腔鏡挿入部, ドレーンチューブ挿入部は周囲組織を含めて摘除したところ, 術後病理組織標本にて胸腔鏡挿入部に腫瘍浸潤を認めた. 胸膜病変の術前診断において胸腔鏡検査は病理組織検査, 腫瘍進展範囲の確認の点で有用な検査方法であるが, 本症例のような悪性疾患の場合は手術時胸腔鏡挿入部も切除することなどの注意も必要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : びまん性悪性中皮腫, 胸腔鏡, 拡大胸膜肺全摘除術
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