アブストラクト(43巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 末梢性肺動脈パッチ拡大を伴うRastelli型根治術の経験
Subtitle : 症例
Authors : 内田徹郎, 折田博之, 深沢学, 廣岡茂樹, 内野英明, 鷲尾正彦
Authors(kana) :
Organization : 山形大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 6
Page : 922-927
Year/Month : 1995 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈閉鎖症などの動脈管依存型心疾患では, 動脈管の閉鎖及び退縮に伴い接続部近傍の肺動脈に進行性の狭窄を認めることがある. また肺動脈閉鎖症以外にも, 動脈管依存性の肺動脈狭窄を伴う低肺血流量型チアノーゼ性心疾患の短絡手術後においては, 動脈管接続部の肺動脈狭窄を生じることがある. こうした末梢性肺動脈狭窄に対して, 楕円形の自己心膜パッチ等を用いた肺動脈形成術が行われているが, 術後の再狭窄など満足すべき成績は得られていない. 今回, われわれは末梢性肺動脈狭窄を伴ったRastelli型手術適応2症例に対して, 末梢肺動脈から肺動脈幹までを長方形のXenomedicaパッチを用い, パッチ形成術というよりは導管に近い形で広く拡大する肺動脈形成術を施行した. 術後1年における心臓カテーテル検査では, 2症例ともに右室肺動脈間に狭窄を認めず, 圧較差も低値であった. 本術式は従来のパッチ形成術やバルーンカテーテルを用いた方法に比較し, 形成範囲も広く, 良好な結果が期待できると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 末梢性肺動脈狭窄, Rastelli型手術, 肺動脈形成術, 弁付き異種心膜ロール
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