アブストラクト(43巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 内胸動脈を用いた冠状動脈血行再建術のPerfusion Contrast Echo法による局所心筋血流に対する新評価法
Subtitle :
Authors : 宇都宮英敏, 田中茂夫, 池下正敏, 庄司佑
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 7
Page : 982-989
Year/Month : 1995 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 新しいコントラスト物質であるAlbunex(R)を用いた術中心筋コントラストエコー法(PCE法)は, 冠状動脈血行再建術の局所心筋血流を評価する新たな方法である. 内胸動脈グラフトの場合直接注入法では問題があるため, 大動脈基部への注入法で, 局所心筋血流が評価できるか否かをブタを用いて実験した. 左前下行枝に内胸動脈グラフトをおき, 大動脈基部へAlbunex(R)を注入し, 各種条件下でPCE法を施行した. time-intensity curveより, (1)コントラスト物質注入より心筋エンハンス像出現までの時間(TIA), (2)コントラストのwash out time(WOT), (3)peak contrast intensity(PI), (4)area under the curve(AUC), (5)mean transit time(MTT)の各パラメーターを計測し比較検討した. 内胸動脈グラフトを介して14例中12例(85.7%)で心筋エンハンス像が得られ, Albunex(R)の至適注入量は12.7mlであった. 左前下行枝と内胸動脈グラフトを比較すると, TIA:0.43±0.11対1.93±023秒, WOT:10.2±0.7対7.7±0.7秒, PI:43.4±3.4対22.7±2.8AU(arbitrary units), AUC:247.0±30.8対115.4±19.2AUと有意差を認め, グラフト流量が100%の場合と50%の場合では, TIAとAUCで有意差を認めた. PCE法は, 冠状動脈や内胸動脈グラフトを介した局所心筋血流を正確に定性評価し, グラフトの血流量の変化も評価できた. またAlbunex(R)注入に伴う血行動態の変化や不整脈の発生もなく, 安全に施行可能なことを証明した. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:982-989)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : コントラストエコー法, Albunex(R), 内胸動脈, 冠状動脈血行再建術
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