アブストラクト(43巻7号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 体外循環中大量空気塞栓症を合併した1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 森村圭一朗, 末広茂文, 柴田利彦, 南村弘佳, 服部浩治, 木下博明 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 大阪市立大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 43 |
Number : | 7 |
Page : | 1059-1062 |
Year/Month : | 1995 / 7 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 体外循環中の大量空気塞栓は人工心肺手術における極めて重篤な状態をもたらす. われわれは本合併症を経験したが, 人工心肺のシャント回路を用いた逆行性上大静脈灌流を行うことにより救命しえた. 症例は59歳, 女性. 僧帽弁狭窄症に対し僧帽弁置換術を施行したが体外循環開始直後に, 脱血管の屈曲による血液リザーバーの急速なレベル低下, それに引続く大量の空気塞栓をきたした. 直ちに人工心肺を停止し, シャント回路を利用し逆行性上大静脈灌流を開始, 送血管挿入部より空気抜きに行った後, 通常の体外循環を再開した. これにより一旦散大した瞳孔が縮少したため, そのまま手術を施行した. 術後, 一過性に全身性間代性痙攣を認めたが, ペントバルビタール療法を中心とした脳庇護療法を行い, 何ら神経学的後遺症を認めることなく社会復帰した. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1059-1062)体外循環中の大量空気塞栓は極めて重大な結果を招来する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 僧帽弁置換, 体外循環, 空気塞栓, 逆行性上大静脈灌流 |