アブストラクト(43巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低左心機能症例(EF≦30%)に対する心拍動下冠状動脈バイパス術3例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 山中淳, 竹内靖夫, 五味昭彦, 鳥井晋造, 小柳俊哉, 八島正文
Authors(kana) :
Organization : 関東逓信病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 7
Page : 1069-1072
Year/Month : 1995 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当科において昭和63年4月1日から平成6年10月31日までに施行した冠状動脈バイパス術(CABG)372例中, 低左心機能症例(EF≦30%)は20例(5.4%)で, なかでも術前合併症のために人工心肺のリスクが高いと考えられた3症例に対して人工肺を用いない心拍動下CABGを行い良好な結果を得ている. 症例1:61歳, 男性. EF25%で腎機能障害を合併していた. 症例2:69歳, 男性. EF28%で大動脈高度石灰化を認めた. 症例3:66歳, 女性. EF18%で甲状腺機能低下症を合併していた. 心停止下CABGと比し, MaxCPK-MB値は低値で術後経過も良好であった. IABPの積極的使用と術式の工夫により安全に手術が施行可能であった. 心拍動下CABGは心筋のみならず他臓器への侵襲が少なく, 症例を選択することにより合併症の多い低左心機能症例に有効である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1069-1072)虚血性心疾患の外科治療の進歩に伴い, 従来手術リスクが高いとされてきた低左心機能症例に対しても冠血行再建術の適応が拡大されつつある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 虚血性心疾患, 低左心機能, 心拍動下CABG
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