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Carpentier-Edwards牛心膜弁の最長9年6ヵ月の遠隔成績を検討した. 対象は1985年4月から1994年3月までに行われたAVR27例, MVR43例, AVR+MVR7例, TVR15例である. 9年での生存率はAVR84％, MVR59％, AVR+MVR69％, TVR76％であった. 非心臓死を除く生存率はAVR93％, MVR70％, AVR+MVR68％, TVR82％であった. 弁関連合併症は大動脈弁位ではPVE1例（0.5％/弁・年）, 僧帽弁位ではPVE5例（1.9％/弁・年）, 人工弁構造的劣化2例（8年目0.8％/弁・年）及び血栓症1例（0.4％/弁・年）で, 三尖弁位では認めなかった. 僧帽弁位の構造的劣化の2例はいずれも弁尖のステントとの固定部分のズレによる弁逆流であった. 弁関連合併症非発生率は9年で, 大動脈弁位は97％, 僧帽弁位は72％, 三尖弁位は100％であった. 人工弁構造的劣化は大動脈弁位及び三尖弁位では9年6ヵ月まで認めず, 僧帽弁位でも非発生率は9年で84％であった. 以上から左心系の代用弁として10年近い耐久性があり, 70歳以上の高齢者に適応と考えられた. また三尖弁位においても良い適応であった. 一方出産を希望する女性の左心系に使用し5例の妊娠出産を経験したが, 母子とともに経過良好であり, 出産に対する安全性が確認された. C-E牛心膜弁は現時点では従来の生体弁より耐久性があり, 今後より長期遠隔成績によっては適応が拡大される生体弁と思われる. （日本胸部外科学会雑誌1995；43：1097－1102） |
