アブストラクト(43巻8号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | リング付人工血管固定部逸脱の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 逢坂研志, 内田直樹, 村田貞幸, 畑正樹, 近江三喜男, 田林晄一 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東北大学医学部胸部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 43 |
Number : | 8 |
Page : | 1182-1186 |
Year/Month : | 1995 / 8 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 術後遠隔期にリング付人工血管のリング逸脱を来した症例を経験した. 症例は74歳, 男性. 真性遠位弓部大動脈瘤に対するリング付人工血管を用いた人工血管置換術後4年6ヵ月目に突然の喀血により死亡した. 剖検所見ではリングが背側部分で血管内より逸脱しており, その部分から左肺内への出血が死因であった. 病理所見ではリング逸脱を来した部分の血管壁は変性が高度で内膜及び中膜弾性線維は完全に消失しているのに対し, 対側では結紮糸周囲に結合組織の増殖は見られるものの変性は軽度であった. 本症例では術直後からグラフトの蛇行が見られており, 過度に長すぎたグラフトのため固定部に不均一な力が加わりリングの逸脱を来したものと思われた. リング付人工血管を用いた症例では遠隔期にもリングの逸脱が起こりうることを念頭に置き厳重な経過観察が必要と考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1182-1186)リング付人工血管を用いた人工血管置換術は大動脈遮断時間の短縮, 出血量の減少の点から有用な方法とされている. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | リング付人工血管, リング逸脱 |