アブストラクト(43巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 免疫複合体腎炎を合併した感染性心内膜炎の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 尾崎直*, 蔵田英志**, 近藤治郎*, 松本昭彦*
Authors(kana) :
Organization : *横浜市立大学医学部第1外科, **横浜市立市民病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 8
Page : 1203-1207
Year/Month : 1995 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 感染性心内膜炎(IE)に腎病変が合併することは知られている. IEの起炎菌により形成された免疫複合体が糸球体に沈着することにより発症する糸球体腎炎はまれとされている. 症例は59歳, 男性. 食欲不振, 倦怠感を初発症状にし, 蛋白尿, 血尿, 発熱にて入院. 心エコー検査にて大動脈弁にvegetationをみとめる大動脈閉鎖不全と診断し, 経過中, 脳障害を発症した. BUN, Crの上昇を認め, 免疫複合体(抗C3d抗体)が10.2μg/mlと高値であった. 血液培養検査でStr.viridansが検出された. 炎症反応, 腎機能の改善を認めず, vegetationが存在したため大動脈弁置換術を施行した. 細菌は弁のvegetationからは検出されなかったが, 僧帽弁移行部のvegetationから検出された. 術後経過は良好で炎症反応の改善と共に腎機能も正常化し, 抗C3d抗体も正常となり50日目に元気に退院した. 内科的療法が無効な時, このような症例は早期感染弁切除が救命率の向上につながる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 感染性心内膜炎, 免疫複合体腎炎
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