アブストラクト(43巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁病変を伴わない高齢者SLE症例に見られた左房内球状血栓症の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 嶋田宗彦, 横手祐二, 畠中正孝, 許俊鋭, 尾本良三
Authors(kana) :
Organization : 埼玉医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 8
Page : 1213-1216
Year/Month : 1995 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は77歳, 女性. 約1年前からSLEの診断で通院加療中, 胸水貯留と右心不全症状のため入院. 心エコーで心拍動と共に振り子様の運動を呈する左房内球状血栓症と診断し, 緊急的に血栓摘出を行い救命したので報告する. 2ヵ月前, SLEに合併する心嚢炎による心嚢液貯留を認めたが, その時点では心エコー上, 左房内血栓エコーはなかった. 心調律は心房細動であるが, 僧帽弁には明らかな器質的病変は見られず, 徐脈, 左房拡大, 低心拍出など他の左房内血液欝血を来す条件はなかった. 僧帽弁病変を伴わない症例における左房内球状血栓の形成は極めてまれであるが, SLEにおいては静脈血栓症合併がしばしば見られることから, 左房内血栓の形成にSLEが関連している可能性が考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1213-1216)左房内球状血栓は, 僧帽弁疾患, 特に僧帽弁狭窄症あるいは人工弁置換術後に合併することが多いが, まれには僧帽弁が正常であるに関わらず左房内球状血栓が形成され, 全身塞栓症あるいは僧帽弁口嵌頓による突然死の原因となり得る.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : SLE, 左房内球状血栓, 正常僧帽弁, 経食道心エコー図
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