アブストラクト(43巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性横隔膜ヘルニアに心嚢破裂を合併した1例
Subtitle : 症例
Authors : 池田英二, 川上俊爾, 大塚康吉, 小野監作, 山田眞人, 大西洋一
Authors(kana) :
Organization : 岡山赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 8
Page : 1234-1238
Year/Month : 1995 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 鈍的外傷のために生じた, 左横隔膜ヘルニアと心嚢破裂合併例を経験した. 症例は55歳, 男性. 乗用車で右折中に直進車と衝突し胸腹部を打撲した. 来院時, 強い呼吸困難を訴え, この呼吸困難は右側臥位で軽減し, それ以外の体位は呼吸困難が増悪するためにとれなかった. 胸部X線写真上, 左横隔膜陰影が消失し胸腔内に消化管と思われる異常透亮像が認められ, 心臓超音波検査では右側に偏位した縦隔のすぐ左側に消化管を思わせる管腔像を認めたため, 横隔膜ヘルニアと診断し緊急手術を行った. 横隔膜は前外側骨性胸隔付着部から腱中心へ向かって前後方向に約12cm裂けていた. 胸腔内確認のため切開を左上方に延長し, 心嚢が横隔神経前方で約8cm裂けているのを確認, 双方とも縫合閉鎖した. 術後横隔神経麻痺もなく37日後に軽快退院した. 胸腹部外傷例の診断に際しては横隔膜や心嚢の損傷も考慮し, これらが疑われた場合は積極的に手術を行うべきと思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鈍的外傷, 横隔膜ヘルニア, 心嚢損傷
このページの一番上へ