アブストラクト(43巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ポリグリコール酸不織布貼付法による肺瘻の防止法の臨床経験
Subtitle :
Authors : 水野浩*, 人見滋樹*, 中村達雄**, 清水慶彦**
Authors(kana) :
Organization : *京都大学胸部疾患研究所胸部外科, **京都大学生体医療工学研究センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 9
Page : 1559-1564
Year/Month : 1995 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術後肺瘻予防のためにポリグルコール酸ポリマー繊維より作製したフェルトをフィブリン糊にて貼付し, その効果及び副作用の有無を検討した. 対象は1990年3月より1993年末までに施行した開胸術のうちエアーリークを予想された. 90件であった. 使用法はシートを貼付するのみ67件, シートを貼付し縫合して固定する7件, シートを縫着し貼付する16件であった. リーク期間はそれぞれ4.6±4.1日, 3.9±4.6日, 3.2±3.8日であった. また, 施行術式別ではリーク持続期間は肺葉切除術41件, 5.0±4.0日, 区域切除術5件, 5.0±4.3日, 肺部分切除術26件, 2.6±3.1日, ブラ切除術14件, 4.9±4.0日であった. 疾患分類別のリーク持続期間は嚢胞性肺疾患17件, 4.6±4.2日, びまん性肺疾患5件, 0.6±1.2日目膿胸を含む感染症3件, 0.7±0.9日, 肺癌46件, 4.8±42日, 良性肺腫瘍2件, 1.5±1.5日, 転移性肺腫瘍14件, 3.8±2.7日であった. 肝機能, 腎機能への影響はなかった. 膿胸の剥皮術後に使用した症例でも感染を起こさなかった. 使用により肺の過度の縫縮が防止できた. 肺瘻が予想される症例には術中のPGAシートの貼付は有効な方法である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1559-1564)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ポリグルコール酸不敷布, フィブリン糊, 肺瘻, 術後合併症
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