| Organization ： |
1)国立函館病院心臓血管外科, 2)国立仙台病院心臓血管外科, 3)国立埼玉病院心臓血管外科, 4)国立東静病院心臓血管外科, 5)国立大阪病院心臓血管外科, 6)国立岡山病院心臓血管外科, 7)国立呉病院心臓血管外科, 8)国立福岡中央病院心臓血管外科 |
| Abstract ： |
国立8施設において1972年12月から1992年9月までに置換された代用弁のうち大動脈弁置換（AVR）, 僧帽弁置換（MVR）, 二弁置換（DVR, AVR+MVR）に用いられたBjork-Shiley弁（BS弁）のうちSpherical disc（SP弁）326例（AVR49例, MVR259例, DVR18例）344個, Convexoconcave disc弁（CC弁）103例（45例, 51例, 7例）110個, Monostrut弁（MS弁）153例（110例, 49例, 3例）156個の計582例, 610個とOmnicarbon弁（OC弁）152例（71例, 78例, 3例）155個の合計734例, 765個について各弁位における各ModelごとにSTS-Guidelineに沿った術後の諸指標について比較検討した. その結果, MS弁, OC弁はSP弁, CC弁に比してほとんどの指標で良好な値を示し, 手術死亡率は0％～11.3％であったが, 遠隔死亡率は0.3％/p・y～1.8％/p・y, 累積生存率も術後10年で85.5±5.6％～98.4±1.6％と良好な値を示し, 全Event非発生率は58.5±6.4％～82.7±5.7％であった. 機械的弁破損はMVR・CC弁の2例のみに発生し, 全弁位の発生率0.04％/p・yは極めて低率であった. 術後の諸指標の比較においては, AVRにおける累積生存率, MVRにおける手術死亡率, NYHA機能分類改善度, 機械的弁破損発生率, 全Event非発生率ではMS弁, OC弁とSP弁, CC弁との間に有意差を認め, このことは今後の代用弁の選択に適用できると思えた. 機械的弁破損が懸念されるCC弁置換例では弁位, 弁サイズ, 年齢, 身体的活動度, 人工弁作成年次などを考慮した再置換も念頭においた対応を考えるべきと思えた. 代用弁置換に関する多施設共同研究は本邦では少なく, 本報告は有意義と考えた. （日本胸部外科学会雑誌1995；43：1569－1578） |
