アブストラクト(43巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道裂孔ヘルニアにより体外循環離脱に難渋したA型急性大動脈解離の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 長谷川豊**, 齊藤力*, 堀見博之*, 加藤盛人*, 川島隆久*, 布施勝生*
Authors(kana) :
Organization : *自治医科大学胸部外科, **群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 9
Page : 1680-1683
Year/Month : 1995 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道裂孔ヘルニアが術中に嵌頓状態になり, 体外循環離脱困難となったA型急性大動脈解離手術症例を経験した. 症例は67歳, 女性. Stanford A型急性大動脈解離の診断で当院に緊急入院した. 精査で, 上行大動脈から右総腸骨動脈に及ぶ解離と, 巨大な食道裂孔ヘルニアが認められた. 手術は, 逆行性脳灌流を併用し, 超低体温循環停止下に上行・弓部大動脈置換術を行った. 大動脈遮断解除後, 加温していくと, 心臓が背側の腫瘤によって前方に圧迫され, 体外循環からの離脱が困難となった. 腫瘤は嵌頓・絞扼状態となった食道裂孔ヘルニアであった. 心膜横隔膜面・食道裂孔の切開により絞扼を解除, ゴアテックスシートを用いて修復を行い, 体外循環を離脱し得た. 術後, 腎不全を合併したが回復し, 第60病日に退院した. ヘルニアの嵌頓は体外循環中の組織浮腫・小出血によるヘルニア内容の増大によって生じたと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈解離, 食道裂孔ヘルニア, 体外循環
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