アブストラクト(43巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術前気管切開施行患者の開心術におけるアプローチの工夫
Subtitle : 症例
Authors : 桜井義也, 加戸靖, 日野裕, 藤原祥二, 大谷肇, 今村洋二
Authors(kana) :
Organization : 関西医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 9
Page : 1684-1689
Year/Month : 1995 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管切開口を有する患者の開心術における心臓アプローチ選択では, 術後の胸骨感染などの合併症の可能性を考慮する必要がある. 最近われわれが経験した2症例はいずれも術前の心不全のため気管切開を施行されていた. 症例1:心胸郭比がほぼ100%に達するMsR症例. 乳房下横切開の皮切に加え第4肋間にて両側開胸を行い, MVR及び左心房縫縮術を施行した. 症例2:OMI及び三枝病変を有する狭心症症例. 第2肋間の高さでのY字状の皮切と, 胸骨の横断と縦切開にて静脈グラフトによる二枝バイパス術を施行した. 二症例とも通常の上・下大静脈及び上行大動脈へのcannulation操作や手術操作は容易で, 術後感染の合併もなく満足すべき結果が得られた. 術前気管切開口を有する患者の心臓到達法としては, 手術創もしくは縦隔の剥離が気管切開口から極力離れるような方法を選択工夫するべきと思われた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1684-1689)気管切開の合併症としては感染による出血, 気管の圧迫壊死による気管食道瘻などがある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管切開術, 開心術, 心臓到達法, 縦隔炎
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