アブストラクト(43巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : A型大動脈解離術後の吻合部leakを起こす原因についての検討
Subtitle :
Authors : 迫秀則, 葉玉哲生, 森義顕, 重光修, 宮本伸二, 添田徹, 吉松俊英, 和田朋之, 内田雄三
Authors(kana) :
Organization : 大分医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 10
Page : 1736-1740
Year/Month : 1995 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Stanford A型大動脈解離に対し, 術後の大動脈造影を行い, 吻合部leakを起こす原因について検討した. 1985年から1994年11月までにStanford A型大動脈解離57例に対し手術を行ったが, このうち手術時にentryを確認でき, 術後の大動脈造影が行えた29症例を対象とした. 末梢側吻合部leakがみられたものは29例のうち11例であり, これらを吻合部leakに影響を与える可能性のある8因子(graftの種類, Marfan症候群合併, フェルト使用の有無, クランプの方法, 末梢側吻合部位, 手術時期, 吻合部の性状, ICUでの血圧コントロール)について検討した. その結果, 手術時期, 吻合部の状態, ICUでの血圧コントロールの3因子が有意に影響を及ぼす結果となった. つまり, 慢性期まで待って解離の影響が少ない部分で吻合を行い, 術後の血圧を低くコントロールしたもので吻合部leakが少ないという結果となった. しかし, Stanford A型症例であり, 急性期手術を余儀なくされる症例が多いのが事実であるので, 術後早期の血圧コントロールを厳重に行うことが, 吻合部leakを少なくすることにつながると考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1736-1740)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : A型解離, 残存解離, 吻合部leak
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