アブストラクト(43巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後の体外循環離脱困難症例に対する長時間PCPS (経皮的補助循環法) 使用における心嚢血腫確認の心要性と下肢虚血防止の工夫 - 5例の経験から -
Subtitle : 症例
Authors : 山西秀樹, 渡辺直, 林和秀
Authors(kana) :
Organization : 北光循環器病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 10
Page : 1783-1787
Year/Month : 1995 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術人工心肺離脱不能例に対し薬物療法やIABP(大動脈内バルーンパンピング)による循環補助のみでは血行動態が改善しない5例に, 長時間補助循環としてPCPS(経皮的体外循環法)を施行した. その際に下肢虚血防止のため18G留置針を挿入側大腿動脈に遠位側に向かって経皮的に穿刺し回路に組み込んだ. 術後の易出血性を考慮し, ヘパリンコーティング回路を使用しACT(活性化凝固時間)130~200秒でコントロールした. 補助循環時間は6,975±5,516分, 補助循環流量は1.51±0.26l/min/m2であった. 合併症として, 5例中4例に縦隔内血腫による心タンポナーデを認めたが, これに対してPCPS離脱時に血腫除去を4例で施行, 3例でPCPSよりの離脱に成功, その内2例で長期生存を得た. 死亡例も含め有意の感染症合併は認めなかった. 低めのACTコントロールにもかかわらず縦隔内血腫が発生することを念頭におき, 離脱時には再開胸して血腫の有無を確認すべきであると考えられた. PCPS施行中, 下肢虚血は1例も認めず, 挿入側の下肢遠位側への血流を確保する工夫は有用と判断された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : PCPS, ヘパリンコーティング, 下肢虚血, 縦隔内血腫
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