アブストラクト(43巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 片肺移植におけるreimplantation response-対側肺に及ぼす影響について-
Subtitle :
Authors : 山本英博, 山下長司郎, 岡田昌義, 戸部智, 辻福正, 大保英文, 中村宏臣
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 11
Page : 1821-1827
Year/Month : 1995 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 片肺移植後の早期にはreimplantation responseと呼ばれる一過性の肺水腫が出現する. この病態が対側肺にどのような影響を及ぼすのか, 肺循環動態の変化から検討した. 雑種成犬20頭を以下の3群に分け研究した. 第I群;左肺同種移植群で術後の免疫抑制剤は使用しなかった. 第II群;donor肺摘出中にdonor犬にPGI2(1μg/kg/min)を30分間かけて点滴投与した. 再灌流1分前にSOD(20mg/kg)をrecipient犬に投与した. 更に, 第III群;II群に加え移植2日前からcyclosporine(20mg/kg), azathioprine(4mg/kg)を投与した群である. 上行大動脈, 左肺動脈にDoppler血流計を装着し, 更に肺動脈圧を術後14日間測定した. 結果:I群では移植後3日目, 7日目に肺動脈圧及び右肺動脈の血管抵抗が増大しており, II群, III群に対して有意差が認められた. Reimplantation responseはこれまでgraft肺にみられる病態と考えられていたが, 本研究からnative肺(recipient肺)にも影響を及ぼす事実が明白となった. また, PGI2, SODを投与し温阻血・再灌流障害を軽減することによってgraft肺並びにnative肺における血管抵抗の上昇をも抑制することができ, 明らかに病態の改善が確認できた. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1821-1827)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺移植, 一過性肺水腫, 片肺移植
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