アブストラクト(43巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Nonconfluent pulmonary arteryに対する導管を用いた肺動脈形成術
Subtitle :
Authors : 小宮達彦, 山崎和裕, 河内和宏, 神崎義雄
Authors(kana) :
Organization : 倉敷中央病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 11
Page : 1828-1835
Year/Month : 1995 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Nonconfluent pulmonary artery(NPA)に対して導管を用いた肺動脈形成術の手術成績を検討し, 手術適応, 手術方法(どのような導管を用いどのようなサイズにするか), 根治術の可能性について考察した. 対象は11症例で2回の再度導管を用いた再手術を含む13回の手術である. 平均年齢は5歳であった. 手術死亡, 遠隔期死亡例はなかった. 3例の導管閉塞, 2例の導管高度狭窄のため計5例の再手術を必要とした. 心膜導管で9例中4例で再手術となり, うち2例は導管が大動脈後方を走行する症例であった. 人工血管使用例は4例中再手術は1例であった. 導管のサイズを, 体表面積から換算した正常肺動脈径に対する比で表すと, 大きすぎても(125%N以上)小さすぎても(100%N以下)遠隔期に狭窄傾向にあった(p=0.002). 導管閉塞例でのnonconfluent側のPA indexは平均58±12mm2/m2と小さく, 狭窄例でも103±33mm2/m2で, 良好温存例の141±19mm2/m2と比べて小さかった(p=0.003). 根治手術はRastelli手術4例, 右室流出路パッチ拡大術2例, Fontan型手術2例の計8例(73%)で可能で死亡例はなかった. 以上よりNPAに対して心膜導管を用いた肺動脈形成術を施行する場合, 導管が大動脈後方に位置する場合, 閉塞することがあり, 人工血管の使用も考慮すべきである. 導管のサイズは正常肺動脈径の100~125%normalの大きさがよい. Nonconfluent側の肺動脈の発育が不良な場合は成績不良である. 根治術は多くの症例で可能である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1828-1835)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Nonconfluent pulmonary artery, 肺動脈形成術, Rastelli手術, Fantan手術, 心膜導管
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