アブストラクト(43巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺内穿破を来した遠位弓部大動脈瘤に対する外科治療
Subtitle : 症例
Authors : 荻野均, 三木成仁, 上田裕一, 田畑隆文, 森岡浩一, 酒井哲郎
Authors(kana) :
Organization : 天理よろづ相談所病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 11
Page : 1836-1840
Year/Month : 1995 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 遠位弓部大動脈瘤(DAAA)ないしはその術後に肺内穿破を来した3例を経験した. 症例1と3は, 突然の喀血で発症した. 症例2は, DAAAに対して弓部人工血管置換1年後に多量の喀血から呼吸停止となった. 手術は全例, 胸骨正中切開下に上行大動脈送血, S・IVC脱血で体外循環を開始, 咽頭温18℃で循環停止とし, 持続的逆行性脳灌流法(CRCP, 症例1:55分, 症例3:63分)下に弓部再建を行った. 症例2では弓部分枝再建部後壁に仮生動脈瘤の形成を認め, 低流量の体外循環下に破裂部を直接縫合閉鎖した. 全例, 術後肺合併症もなく無事退院した. DAAAの肺内穿破に対しては, 早期診断, 早期治療が肝要である. 正中からの到達を原則とし, 肺との癒着を剥離せずに弓部再建を進めることが, 出血や肺損傷を少なくする手術のkey pointと考える. その際, CRCPは有用な補助手段と考える. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1836-1840)胸部大動脈瘤の肺内穿破は比較的まれな疾患であるが, 診断から外科治療まで迅速且つ的確な対応が必要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 遠位弓部大動脈瘤, 肺内穿破
このページの一番上へ