アブストラクト（43巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 外傷性乳頭筋断裂による三尖弁閉鎖不全症に対する弁形成術の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 野地智, 北村信夫, 山口明満, 春藤啓介, 木村俊一, 入江寛 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 国立大阪病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 43 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 1845-1849 |
| Year/Month ： | 1995 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 非穿通性胸部外傷により, 前乳頭筋断裂を生じた44歳男性の三尖弁閉鎖不全症に対し, 受傷後6ヵ月目に弁形成術を施行し, 良好な結果を得た. 三尖弁前尖は前乳頭筋部分1/2の部位で断裂しており, 右房内に飜転可能であった. また右室内に残存した前乳頭筋部分は萎縮していたが, その瘢痕化した痕跡を確認できたため, 乳頭筋断裂部をこの痕跡部分に固定することで弁下組織の再建が容易であった. 更に三尖弁輪径を35mmにまで縫縮した. 術後経過は順調であり, 右室造影所見においても三尖弁逆流を認めなかった. 外傷性三尖弁閉鎖不全症の外科治療においては, 受傷から手術までの期間が短いほど乳頭筋や腱索の萎縮及び変性の程度は軽く, 弁形成術が施行しやすい利点を有し, 更に右室機能低下に伴う心房細動を防止でき, 洞性調律を維持できる利点を有すると考えられた. （日本胸部外科学会雑誌1995；43：1845－1849）近年, 救急医療体制の整備に伴い, 交通事故や労働災害による非穿通性の外傷性心臓損傷の報告例が増加している. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 外傷性弁膜症, 三尖弁閉鎖不全症, 乳頭筋断裂, 三尖弁形成術 |
