アブストラクト(43巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : アジソン病に合併した肺癌の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 笹本修一*, 晴山東兎**, 朴英進*, 奥山伸男*, 山崎史朗*, 小松壽*
Authors(kana) :
Organization : *東邦大学医学部胸部心臓血管外科, **東邦大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 11
Page : 1879-1883
Year/Month : 1995 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : アジソン病に合併した右肺下葉の扁平上皮癌の1例に手術を行い, 良好な結果を得たので報告する. 症例は72歳, 男性. 25年前に他院でアジソン病と診断され, それ以来毎朝, 酢酸コルチゾン25mgの内服を続けていた. 検診の胸部X線写真で右肺下葉に異常影を指摘され, 気管支鏡下の擦過細胞診で扁平上皮癌と診断された. 手術は, 右肺下葉切除, 横隔膜合併切除とR2aリンパ節郭清を行った. 気管支断端はSweet法で閉鎖し, 心膜脂肪織で被覆した. 術中, 術後は, 適量のハイドロコルチゾンの静脈内投与によるステロイドカバーを行うことにより, 重篤な合併症の併発をみることなく順調に経過した. 術後2年の現在, 肺癌再発の徴候なく健在である. (日本胸部外科学会雑誌1995;43:1879-1883)アジソン病は慢性副腎皮質機能低下の状態で, 治療はコルチゾールの補充が原則である. 副腎クリーゼを起こさないように補充療法を続ける限り予後は良好であるが, 本症患患者に, 他疾患のため侵襲の大きな手術療法を行ったという報告は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : アジソン病, 肺癌, 肺切除術, ステロイドカバー
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