アブストラクト(43巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道のいわゆる癌肉腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 下沖収***, 石田薫*, 佐藤信博*, 杉村好彦*, 斉藤和好*, 上杉憲幸**
Authors(kana) :
Organization : 岩手県立住田病院外科, ***陸前高田市国保広田診療所, *岩手医科大学医学部第1外科, **岩手医科大学医学部第1病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 43
Number : 12
Page : 1942-1947
Year/Month : 1995 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道の“いわゆる癌肉腫”は, 癌細胞由来と考えられる紡錘形細胞が肉腫様の像を呈し癌腫と混在するまれな腫瘍である. 今回経験した1症例を文献的考察を加えて報告する. 症例は67歳, 男性. 食欲不振, 全身倦怠感, 咽頭痛を訴え来院. 食道造影, 食道内視鏡にて中部, 下部食道に隆起型腫瘤を認めた. T1N0M0の悪性腫瘍の診断で胸部食道全摘, リンパ節廓清を施行した. 切除標本で腫瘤は10.5×5.2×3.5cmの茎を有するポリープ型腫瘍であった. 病理組織像は, 腫瘤部分で紡錘型細胞が肉腫様構造をとり一部に扁平上皮癌が混在していた. 頸部から口側食道には粘膜筋板まで浸潤する扁平上皮癌を認め, 組織学的進行度はmm3, n1(+), M0, Pl0, stageIIであった. 免疫染色で紡錘形細胞が上皮細胞に由来することが示唆され, “いわゆる癌肉腫”と診断した. 食道のいわゆる癌肉腫は癌細胞由来と考えられる紡錘形細胞が肉腫様の像を呈し癌腫と混在するまれな腫瘍である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道, 癌肉腫, いわゆる癌肉腫
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