アブストラクト(44巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 動脈グラフトを用いた冠状動脈Sequential Bypass手術の検討
Subtitle : 原著
Authors : 高橋賢二, 長尾好治, 成田敦志, 岩淵知, 小田桐聡
Authors(kana) :
Organization : 青森労災病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 44
Number : 1
Page : 25-30
Year/Month : 1996 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠状動脈バイパス手術(CABG)における動脈グラフト(AG)を用いてsequential bypassを行った39症例に検討を加えた. 使用したAGは43本で冠状動脈87枝に吻合した. 内訳は, 右胃大網動脈(RGEA)25本を51枝に, 左内胸動脈(LITA)を10本を20枝に, 右内胸動脈(RITA)8本を16枝へ吻合した. 吻合はすべて結節縫合で行い, 先に中枢側吻合を灌流域の広い重要冠状動脈と平行に吻合した後に, 末梢側を吻合した. RGEAを用いた症例では, RCAとLCxに吻合した症例が13例と最も多く, 開存率も良好であった. またLADとDxとに吻合した8例でもすべて開存していた. しかしRCAとLADとに吻合した2例ではいずれも吻合間で閉塞しており不適切な組み合わせと思われた. 一方LITAは10例ともすべて左冠状動脈(LCA)領域へ吻合が行われており, すべて開存していた. RITAの8例では, in situとfree graft使用が各々4例あり, 前者でLADとD1との吻合3例, 後者でLADとD1, D1とLCX(segment12)吻合が各々2例であった. これらの開存率は100%と良好であった. 術後早期死1例(腎不全)と遠隔死亡1例(脳梗塞)を認めたがsequential bypass法に起因するものではなかった. 術後グラフト造影を行った37例で, AGは41本中40本(97.6%), 吻合枝で83枝中78枝(94.0%)で開存が確認された. sequential bypass法により, 多枝CABGにもAGを用いることが可能で, その結果も満足できるものであった. (日本胸部外科学会雑誌1996;44:25-30)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : CABG, sequential bypass, 動脈グラフト, 内胸動脈, 胃大網動脈
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